うまみ

  • 日本で生まれた第5の味覚、美味しさの秘訣

    食べる時の味そのものだけでなく、香りや食感、その場の雰囲気や体調など、多くの要因に影響されて感じる「美味しさ」と異なり、「うまみ」は独立した味を指します。では、そのうまみとはどのような要素によって定義づけられているのでしょうか?
    味の基本構成は、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の4つと言われてきました。しかし、今から100年程前、日本人研究者の池田菊苗博士が昆布から「もうひとつの味」の成分を抽出することに成功し、その正体が海藻や野菜に多く含まれるアミノ酸の一種であるグルタミン酸であることを発見しました。

  • グルタミン酸に続き、鰹節など肉や魚に含まれるイノシン酸が、干し椎茸などきのこ類に含まれるグアニル酸がうまみを呈することが解明されています。これらの研究成果は、1985年開催の「第一回うま味国際シンポジウム」を機に、「うまみ/UMAMI」という独立した味、用語として国際的に公式使用されることになりました。

    うまみ成分は、アミノ酸系グルタミン酸と核酸系イノシン酸、グアニル酸に大きく分けられます。これらの成分を組み合わせることで、単体で味わうよりもうまみが飛躍的に強く感じられることが科学的に証明されており、これを「うまみの相乗効果」といいます。深いコクとまろやかさ、この風味は和食の世界では勿論のこと、あらゆるジャンルの料理人が経験的に知り、味の決め手として自国の料理に応用しています。

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